波及効果

半年前、国際宇宙観測プロジェクトのために必要な巨大望遠鏡の製作を追った番組があった。その巨大望遠鏡の製作に当ったのが、精密な加工技術を持つ日本の中小企業など200社だった。番組では、たび重なる失敗と試行錯誤を繰り返す場面が印象的だったが、見事に完成させ日本の技術力の高さは世界トップだと言う事が伝わった。しかし、今回作った巨大望遠鏡の製作自体はさほど本業の儲けには繋がらないらしい。

しかしその後「波及効果」という言葉が出て来た。それ自体にはさほど意味はなくても、そこで培われた成功体験、試行錯誤する力はその後、何かを作る時に必ず役に立ち結果的に技術力は上がり、開発力も上がることが期待されると。http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20130715/

その「波及効果」という言葉を聞いてハッとした。思えば、学生時代にやっていたことのほとんどはこれだなと思った。

わかりやすい例だと部活動。ここまでやって来てわかったけれど、陸上競技を職業に出来る人は各世代でせいぜい5~6人(長距離を除く)だ。自分の推定では、高校で陸上競技をやっている1学年の人数は男女合わせて3万人くらい。とすると、陸上競技に取り組むよりももっと働くことに直結する勉強に時間を費やす方が合理的なんじゃないかと思う。

しかし、波及効果を考えると陸上競技を職業に出来なかったとしても決して無駄だったとは言えない。競技を通して培われる力はたくさんある。考える力、試行錯誤する力、課題を見つける力、耐え忍ぶ力、継続する力などなど。あぁ、これは社会に出て働き生きて行く時に必要な能力ではないか。ということに最近気がついた。

とはいえ、競技の世界で勝負している以上その世界で結果を出すということから逃げてはいけない。その世界で勝負してガチで取り組み悩み闘った時間や経験が、別の場所に行った時に思いがけず波及して役に立つからだ。こういうこと以外にも部活動の意義はあるのだろうが、自分はこれが大切だと思う。

最近、こんなことを考えながら競技に取り組んでみたりする。今やっていることが何らかの形で波及するはずだと。しかし、競技を続けている一番の意味は13秒台へ突入と日本選手権で勝負することだ。

気づくと今年はもう終わる。やはり、夏が終わるとあっという間に年末だ。まだ足の痛みはあるが、練習は積めている。継続は力なりを信念に頑張ろうと思う。

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この記事を書いた人

名前:深川 貴司/ふかがわ たかし
年齢:35歳
専門:110mh
ベスト記録:14.06
出身大学:順天堂大学
経歴:都立学校教員(6年)、現在はプログラマー(web系)へ転職💻
福岡在住

主な成績:全国高校総体(インターハイ)3位。関東インカレ3位。全日本インカレ6位。日本選手権出場。

コメント

コメント一覧 (2件)

    • メリークリスマス。コメントありがとう。
      そろそろジョイフルのカフェモカが飲みたいです。
      帰って来たらまた行こう(^^)

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