初心者 ハードル走の練習方法

目次

大切にしている考え

ハードル走の技術指導で最も大切な考え方は、いかにスプリントの形(普通に走る形)を崩さずに走り抜けるかです。
なぜなら、110mhでスタートからゴールに最も速く到達する動きは、スプリントの形だと考えるからです。
ですが、途中にハードルが置いてあるので仕方なくハードリングをする必要があります。
つまり、最も速く前に進めるスプリントの形から可能な限り逸脱しない動きをすることが理想のハードリングだと定義しています。

形に囚われない

私が初心者の人に先ず伝えたいことは、ハードリングの形に囚われてはならないということです。
ハードル走の経験が浅い段階から抜き足はこうで、リード足はこうで、リードアームはこうで。のように形を作っていくことは、最も大切なスプリントの形から逸脱しないという考えから外れています。
このような技術は、実際にハードルを繰り返し何度も跳び、課題として浮き上がってきてから対処すればよいです。

できている感覚を味わう

初心者の人が正規の高さやハードル間で練習して、3歩で走り抜けることができずに何度も止まってしまう姿をよく見かけます。これでは、ハードル走の面白さもたどり着きたい動きの感覚も体験することができません。先ずは、高さやハードル間の距離を調整してできている感覚を体験することを重視します。

練習の順序

ステップ1:気軽にハードルを越える

先ずは、気楽に楽しくハードルを越えてください。ハードル間は正規でも変更しても構いません。走りは5歩でも7歩でもいいです。高さも無理なく越えられる高さまで下げて構いません。ジョギングくらいのスピードでよいので先ずはハードルを越えてみましょう。
ここでの目的は、走りとハードルを越える動きを調和させることです。
走っている中で自身の身体を浮かせてハードルを越えること、着地したらまた走り出すこと。その感覚を身体に覚え込ませましょう。台数は3台程度で構いません。

ステップ2:インターバルを3歩で走ってみる

次は少しレベルが上がりますが、設定さえ工夫すればできないということはありません。
インターバルを3歩で走ってハードルを越える練習をしましょう。
ここでの目的は、最終的に辿り着きたい動きを体験することです。
スタート地点から助走をつけて1台目を越えてから、ハードル間を3歩で走ります。この時にその人の能力によってハードル間や高さを柔軟に調整する必要があります。ここでのポイントは無理なく3歩で進めるハードル間と高さにすることです。とにかく、3歩で走り抜ける感覚を早期の段階で身体に覚え込ませましょう。
台数は2台から3台程度で構いません。
※スタートから助走して1台目を越えられるようになることに時間がかかる人もいると思います。ここでの目的は3歩のリズムを身体に経験させることなのでスピード感にこだわる必要はありません。できる高さとハードル間に調整しましょう。

ステップ3: アプローチの精度を上げる

ステップ2で3歩で走り抜ける感覚を身体が覚えてきたら、スタートから8歩で可能な限り加速して1台目を越えてその後も3歩で行ける様に練習しましょう。今後はこの練習を繰り返し行うことになります。
ここでの目的は、スタートから最大限加速した状態で1台目を越える感覚を掴むことです。
ハードル走では、1台目までのアプローチの精度がレース全体の成功率の7割程度を占めると言われています。とても重要な局面です。ここでもハードルの高さは無理なく越えられる高さまで下げて構いません。また、ハードル間も無理なく3歩で走り抜けられる距離に調整して構いません。
スタートから最大限加速して1台目を越えて3歩で次のハードルへつなげる練習を繰り返し行いましょう。
台数は2台から3台程度で構いません。

ステップ4:ハードル間の走りを意識する

アプローチの精度が少しずつ上がってきたら、ハードル間のインターバルランがよりスムーズになるように細かな技術指導を行います。
例えば着地の姿勢やリードアームの使い方です。この辺りから徐々に技術やポイントを意識させていきます。また、ここまできたら、徐々に正規の高さやハードル間に合わせて練習していきましょう。


ですが、大前提として基礎的な体力要素が低い人はどれだけ練習しても3歩でハードル間を走り抜けることは難しいです。一例ですが、中学男子であれば少なくとも100mを14秒前半、中学女子であれば100mを15秒台で走る力が必要です。もちろん、例外はありますが目安としてそれくらいの体力になるようにハードル走の練習と並行して基礎トレーニングやスプリントトレーニングを行ってください。

さいごに

この記事では、ハードル走の初心者を対象とした指導の流れをおおまかに紹介しました。実際の指導では、その人の体力面に応じて変わってきます。
伝えたいことは、経験の浅い段階では細かい技術練習をし過ぎないこと、できる高さとハードル間に調整してハードル走の全体的な流れとその動きを身体に体験させましょう。ということです。

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参考資料

jstage.jst.go.jp

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この記事を書いた人

名前:深川 貴司/ふかがわ たかし
年齢:35歳
専門:110mh
ベスト記録:14.06
出身大学:順天堂大学
経歴:都立学校教員(6年)、現在はプログラマー(web系)へ転職💻
福岡在住

主な成績:全国高校総体(インターハイ)3位。関東インカレ3位。全日本インカレ6位。日本選手権出場。

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