110mh ハードル走 腕を上げる動作

今回はハードル走の踏切時にリードアームを上方向へ引き上げる動作について、自身の意見を書こうと思う。

結論から言うとなるべくその動作はやらない方がいいと考えている。
理由としては、踏切時の推進力が前方ではなく上方向へ向いてしまう可能性が高くなるからだ。推進力が上方向へ向くと言うことは、浮いたハードリングになるということである。(浮いたハードリングとは、頂点の高い放物線を描いてしまうイメージだ)
浮いたハードリンングの弊害は3点ある。

  1. 対空時間がわずかに長くなってしまい、ハードルから遠い位置に着地してしまう。そのためインターバル区間が狭くなり思い切りのよいインターバルランができなくなる(窮屈になる)。
  2. 上記と同じくインターバル区間が狭くなり、次のハードルに対して近くなり過ぎて、踏切でハードルにぶつけやすくなってしまう。(ぶつけてしまう可能性があがるため、また上方向へ踏み切ってしまう)
  3. 踏切時に、腰の水平移動が生まれずハードリングで差をつけられてしまう。

ポイントとしては、腕はなるべく上方向へ引き上げずに前方へ出す。重心を腕で引き上げるのではなく、リード足を大きく前方へ開いてハードルへ入っていく感じだ。(文字だけだと説明が難しい)

ただ、リード足を大きく前方へ開くための柔軟性やお尻周りの筋力が高まっていない人はそもそもその動きをできない可能性がある。なので、まずはどのような動きが適切かを知ること。そして、それを意識して練習すること。そしてそれを実現するための筋力向上を行なっていくことが必要だと思う。

110mh 100mh ハードル走における走力の重要性

この動画は現在の110mh、日本記録保持者である泉谷駿介くんの高校生の時のレースである。追い風+2.2 で14秒35。

これを見ると、いかに走る力がタイムに影響しているかがわかる。当時の泉谷くんのハードリングの技術は高くない。けれどタイムは、インターハイの決勝に残れるほどだ。

最近は、何度もこのブログで言っていることだが、やはり走力の向上が大事なことである。ハードリングは後からついてくるので、最重要強化課題は走力だと思って練習してほしい。