上達に向けて、段階的なアプローチに固執しない
「上達するためには段階的なアプローチが必要」という考え方は広く受け入れられています。しかし、必ずしもそれに固執する必要はないのではないかと感じています。私の経験上、部分的な技術の習得を重ねていくアプローチよりも、全体的な動作を通して試行錯誤する方が、スキルが効率的に向上すると考えています。
ハードル走の経験を振り返る
私はこのブログで、「初心者はハードルドリルに時間を費やしすぎない方がよい」と何度も主張してきました。その理由は、ハードル走の上達において、基礎技術を段階的に積み重ねるよりも、実際に勢いよく走りながらハードルを越える全体的なアプローチの手法の方が効果的だと実感しているからです。
プログラミングの経験を振り返る
この考え方は、プログラミングの学習にも当てはまるのではないかと感じています。私の経験では、言語の基本構文を本で繰り返し学ぶ方法よりも、実務の中で仕様を満たすコードを書くというアプローチの方が成長を感じました。
剣道の経験を振り返る
また、小学生の頃、私は福岡の名門道場「今宿少年剣道部」に所属していました。この道場では、基礎練習にほとんど時間を割かず、試合や実践的な稽古を重視していました。もちろん、最低限の基礎は徹底されていましたが、それ以上に重要視されたのは「実戦経験」でした。毎週のように試合に出場し、結果をもとに自身の技術を磨いていました。
AIの学習プロセスに学ぶ
興味深いことに、この「実践重視」のアプローチは、AI(人工知能)の学習プロセスにも似ています。
順序を飛び越えた学習
AIは「基礎から応用へ」という段階を踏まずに、全体的なデータから同時に特徴を学習します。AIは一度に多くの特徴を並行して学習し、順序に依存せず、効率的に進化します。
非線形性
AIの学習プロセスは非線形的であり、一方向に進むのではなく、基礎と応用を行き来します。応用スキルを先に習得してから基礎に戻る「逆順学習」のような形で学ぶことも多く、人間の学び方にも影響を与えています。
上手くいっている方法を真似る、参考にする
ここまで段階的な学習アプローチをやや否定するような内容を書いてきましたが、重要なのは、学習者の特性や状況に応じて方法を柔軟に選ぶことです。また、既に上手くいっている人や方法を真似ることも大切です。成功者の取り組みを観察し、それを自身に応用することで、新たな気づきが得られます。
そしてもう一つ重要なのは、基礎の大切さを忘れないことです。全体からアプローチして実践を積む中で、気づいた課題に基づいて基礎に立ち返り、また全体に戻る。このような循環的な学びのプロセスが、柔軟かつ効果的な成長を促すのではないでしょうか。
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