ジャンプトレーニングについてこの様な論文を見つけました。
ジャンプトレーニングが思春期後期にある男子生徒の疾走能力に与える影響
前提に、ジャンプパフォーマンスと疾走能力との間には相関関係があること。地面に対して、短時間に大きな加速力を発揮することが高い疾走能力の獲得に必要であることを知っておく。
どの様な内容かと言うと、身体の発達が止まった男子生徒の疾走能力を、ジャンプトレーニングで向上させることが出来るか、というもの。この時、ジャンプトレーニングの特徴的効果も調べている。(内容に関しては、間違って捉えているかもしれませんので、論文をよく読んで下さい。)
方法は、97名の男子生徒をジャンプトレーニング群(ハードルジャンプ、スキップ、バウンディングの3種で出来るだけ接地時間を短くして膝関節を曲げ過ぎないように意識させる。)、筋力トレーニング群(レッグランジ、シングル・レッグ・ランジ、スクワットの3種)、複合トレーニング群(ジャンプトレーニング半分+筋力トレーニング半分)およびコントロール群に分類し、週1回の頻度で8週間連続してトレーニングを実施させた。
結果の中ではジャンプトレーニング群の50mの平均疾走速度が向上した。面白いと思ったことは、30m-40m、40m-50mの等速疾走局面の疾走速度が有意に増加したこと。論文には、ジャンプトレーニングで水平方向への推進力が増大し、ストライドの増大が要因だと推察されている。バウンディングの動きを考えるとうなづける。ここでは、ジャンプトレーニングは、スタートの加速局面でなく、中間疾走局面の速度向上に効果があるとわかった。
ジャンプ力に関してはジャンプトレーニングのみ、リバウンドドロップジャンプの接地時間が短縮し、立五段跳の跳躍距離が向上した。一方、複合トレーニングでは垂直跳と立三段跳の跳躍距離が向上した。短い時間で大きな力を発揮できるかどうかが大事なので、垂直跳や立三段跳の評価は、疾走能力の高さの指標にはなりづらいと僕は考える。ウエイトトレーニングだけでなく、ジャンプトレーニングを行うことの大切が改めてわかった。
この論文を読んで、僕はこの様に考える。 ジャンプトレーニングによって、脚の筋機能は発達する。ウエイトトレーニングは、垂直跳などの長い時間をかけて力を発揮する場面には効果があるが、走りの中で瞬間的に大きな力を発揮することへのアプローチにはならない。ウエイトトレーニングで筋力を上げたならば、それを発揮するために、十分なジャンプトレーニングを行わなければならない。この時に重要なのは、接地時間の短さにポイントを置くこと。ハードルジャンプは特にこれを意識するべきだと思う。そしてバウンディングも接地時間の短さを意識する。さらに、より水平方向に進むことを意識することで、等速疾走局面の速度向上に効果を発揮すると考える。
中学生や高校生の中には、バウンディングを効果的に出来ない人がいると思う。先ずは、五段跳で距離を伸ばすことを目的に行うといいと思う。それから、上り坂でバウンディングをやってみたりすると、トラックでスピード持ってトレーニングが出来る様になると思う。出来るだけ、早い段階(中学生くらい)でジャンプトレーニングの効果を理解して取り組むことが大事だと思う。
コメント