本日、11月19日(土)、ずっと見ている中学2年の子の指導を行いました。おそらく今回で7回目です。今日行ったメニューは、4台並べて、3歩走で走る練習を3本がメインです。それまでに、5歩走、1台目だけのアプローチ、2、3台目と台数を増やしていきました。
対象の中学生がすごく能力が高く、ベストは中学2年生で14秒70です。今の時点で中3抜きで全国ランキングでトップ10に入っているそうです。
久しぶりに、動きを見ましたが、また一段と上達していました。動きにブレがなくなりより、安定感のあるハードルリングとなっていました。また、ハードルとの調和性も上がっており、アプローチもすぐに合わせられる力が身についていました。
1点、気になった点がありました。それはリードアームの使い方です。どうなっているかというと、踏み切る直前にリードアームを肩よりも高く上げて上から覆い被さるように出す動きが見られた点です。(例に現、日本記録保持者の泉谷くんを挙げている点は大変恐縮です。)
この動きは、できる限りやめた方がいいと私は考えています。私も大学3年生の途中までこのように踏切直前にリードアームを高く上げて一瞬構えるような動きをしていました。確かに、この動きの方が、身長が低い者からすると重心がやや上がって踏み切りやすくなります。私もそのように感じてやっていました。ですが、これをすると、大抵の場合は、前方への推進力が上方向に逃げてしまい、若干浮いたような動きになってしまいます。理由としては、股関節の後方へのスイング動作が出なくなってしまうからだと考えています。
そうなると、まずハードリング時の前方への速度が低下して、ハードリングが遅く見えます。次に、上に浮くので、着地位置が越えたハードルからより遠くになってしまい、インタール間が狭くなりスピードのある選手は詰まってしまい、インターバルランで思い切り走れない、ハードルにぶつけるという現象が起きてきます。
ハードル走において、最も大切な動きは、本来のスプリントの動きから可能な限り逸脱しないことだと考えます。そのため、リードアームも可能な限り上に引き上げずに、下からスッと前方に出すことをポイントに置いて練習をして欲しいと思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
いつもハードルの事をとても勉強されているなと感心しています。
確かに息子は身長が高くないので勢いをつけるためなのか?ハードルを跳ぶ時にリードアームを肩より高く上げています。
なので上に浮いた様な感じで跳んでいます。
注意はしても癖は中々治らないものです。
100mのタイムは少し速くなりましたがハードルのタイムはあまり変わりません。
今回のブログを見せて変わってくれたらと思います。
コメントありがとうございます。
高身長でない場合、それを補うためにどうしても腕を上げる動きがでがちではあります。
たとえ、腕を上げていても、前方への推進力を損なっていない人もいます。ですので、一概によくないとは言えないのですが、私が大学生の時は、良い動きになっていなかったので書いてみました。
参考にして、いただけたら嬉しいです。
冬も練習会を行う予定ですので、機会があればお待ちしています。