陸上競技 メンタル面について

11月4日の西日本カーニバルで感じたレース感覚が忘れられず、未だに少し興奮気味。このレースでは、レース中の感覚はもちろん良かったんだけど、それに加えてレース直前のメンタルの状態がすごく良かった様に思う。

決勝のレース前のウォームアップでは、何としても14秒05のタイムを持つ高校生に勝ちたいという気持ちが強くギラギラしてた。アップをしてる姿や、ハードル練習を何度も目で追っていた。召集が終わり、決勝のレーン紹介が始まる前まで色んなことを考えて、結構緊張もしていた。

しかしレーン紹介が始まる少し前に、急に勝ちたいという気持ちがフッと弱まった。何というか客観的にその場を見る自分がいた様な感覚があって、視界が広くなった。その次の瞬間に訪れたのは、勝負を楽しもうと思う自分だった。負けたくないとか、勝ちたいとかではなくてその瞬間や空間を楽しみ、自分の力を試そうという前向きな気持ち。そして少しワクワクする感じもあった。

だから、スタートでは周りが気にならなくてスムーズに1台目に入れたし走り急ぐこともなく、良い間を持ってレースが出来た。ただ、後半勝ちたいという気持ちが強くなった瞬間、動きが硬くなってしまった。

高校生の時に読んだ、月刊陸上競技の為末さんのコラムにこんなことが書いてあった。(5年前の記憶だから曖昧だけど、大きくはズレていないと思う。)

『陸上競技の試合中には戦術や戦略というものがほとんどない。だから、陸上競技のレース結果は走る前からわかっていることが多い。試合当日よりも、練習の時間をどう過ごすかの方が遥かに大切だと思う。』

陸上競技は球技みたいに戦略を考えることで格上相手に勝てたり、良い勝負が出来る様な要素はほとんどないと思う。駅伝くらい距離が長くなれば多少あるかもしれないけど、短距離種目はほぼない。だから試合当日は、勝てない相手にはほぼ勝てない。そんな陸上競技のレース当日に唯一、勝ちに近づくために出来ること、それは自分のベストパフォーマンスを発揮出来るコンディションを作ること。

ベストパフォーマンスを発揮出来るコンディションのためにはウォームアップはもちろん大切。それともう一つはレース直前の精神状態。これを今回のレースで改めて気がついた。

自分にとってどういう精神状態が良いのかを知ることは大事なことだと思う。コントロールすることは難しいけど、何かを工夫することで近づけることは出来る気がする。自己ベストが出た時や、良いレースが出来た時にどういう精神状態でいたかをまとめておくことは大切なことだろう。

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この記事を書いた人

名前:深川 貴司/ふかがわ たかし
年齢:35歳
専門:110mh
ベスト記録:14.06
出身大学:順天堂大学
経歴:都立学校教員(6年)、現在はプログラマー(web系)へ転職💻
福岡在住

主な成績:全国高校総体(インターハイ)3位。関東インカレ3位。全日本インカレ6位。日本選手権出場。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 為末選手のコラムのことですが、当たり前っちゃ当たり前のことですよね。
    練習でできないことが本番でできるかって言ったらなかなか難しいですし。

    練習のときから心の中を空にすることができれば、本番でも欲に捕らわれず走れるようになるかもしれませんね( ´∀`)

    • コメントありがとうございます。精神面については、未だわかっていないことが多くありそうですもんね。火事場の馬鹿力をコントロールできれば最強だなと考えたこともありますが無理でした。

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