110mh(ハードル走) 指導の経験

かねてより、指導していた中学生の子がこの度、14秒70で走ったという知らせを受けました。中学2年生で14秒70はかなりいいタイムだと思います。何より、一つの基準として全国大会の標準記録を突破しています。素晴らしいです。

彼がハードル走を始めて短期間でタイムを向上することができたのは、一つに運動能力が高いことがあります。もう一つは、精神面においても良い教育を受けていて鍛えられている点です。そして、ハードル走の本質的な練習にフォーカスして取り組んだことだと思います。

実際に、自分が関わったのは、ハードル走の面だけなのでその点を振り返ります。

彼はほとんどハードル経験がなく3歩では走れず、ハードリングもまだハードリングと呼べる動きではない段階からスタートしました。まず、初めに行ったことは、どんなハードリングであれスタートからハードル走を3歩で走れるようになることでした。そのために行ったことは、ハードルの高さを一番低くしてハードル間を縮めました。とにかくハードル走の全体像を身体に体験させることでした。この時点で細かいハードルドリルでリード足や抜き足を意識するよりまずは、全体像をつかみ感じること、ハードル走の面白さ、疾走感を感じることが大切だと考えていました。

それが徐々にできるようになると、当然高さや幅を正規のものへと合わせていきます。彼は運動能力が高かったので、この正規の状態に戻すのがものすごく早かったです。

そして、次の段階で強く意識させたのは、アプローチの速度です。とにかくスタートから1台目までは自身の持つ最大速度を発揮してアプローチする。これがハードル走において最も重要なことです。なぜなら、レースの良し悪しの6割近くはこの1台目までのアプローチで決まるとほとんどのハードラーが実感しているからです。どれだけ、速度を高めて1台目に入れるかそれを何度も言って、意識させ実践させました。

ここでも、彼の運動能力が高かったので、スーッとどんどん上達していきました。

今回の彼のようなケースは稀だと思います。これほど短期間に成果をあげるとは驚きました。自身が指導者としてできることは、ハードル走を始めて、どのように練習していけばよいかわからない段階の子を導くことだと感じました。自学できるように、本質的なことや手段を教えること、ある程度までいくとあとは、自学でしか伸ばせません。そんなことを感じ、とてもいい経験でした。

ハードル練習会 指導 10月01日(土)

10月01日(土)に夢の島でハードルの指導を行いました。今回もいつも参加する中学生1人でした。もう一人増えると、競って練習できるので参加を待っています。

今回で6回目くらいの指導になりました。もともと運動能力が高い子であったので、指導する度に成長して、もう立派なハードラーの動きになっていました。正直言って、もうほとんど教えることはないです。これから先は、自学で成長していける段階に到達しています。

今回の内容としては、アプローチの練習と3歩走の練習です。どちらも細かい技術的な内容は置いといて、とにかく思い切りよく全力で走り抜けることを意識させて指導しました。ですが、今回からは少し、腕の出し方などの細かな部分の指摘をするようにしました。今の彼の段階ならこのような細かい指導が入っていくと感じたからです。ですが、まだ早かったかなと感じる部分もありました。やはり、指導にはその人の学習の段階に適した内容であることが大切でそれを見抜く感じる力が大切だと感じました。到達段階にないことを熱く語っても良い場面もあると思いますが、大抵は理解できず、混乱します。

おそらく今の力なら15秒の前半が出せると思います。目標は全中なので14秒台の突入が必要です。今後彼が全中レベルに到達するには、何が必要か。1つは絶対走力の向上です。10秒台を目指して走りも磨く必要があります。(走り、筋力)。もう一つは、多くの台数をとぶ練習です。5台以上を走る中で、より走りとハードリングの調和を高めていってほしいです。最後に、競い合いながらハードル練習をすることです。競うことで、崩されるという経験をします。基本的にレースでは自分の理想の動きはできません。ほぼ崩されます。そのような状況下でもガツガツと走り抜ける力を磨いてほしいです。