スプリントハードル走における競技者の主観的評価についての調査 ハードルの練習について調べていたらこの様な論文を見つけました。内容はハードルの技術的なことではなく、ハードラーの練習への取り組み方についてです。長年の経験と感覚で理解していたことではありましたが、改めて練習の取り組み方を考え直すきっかけになりました。指導する立場の人間ならば知っておくべきことだと思います。 論文の内容は、110mh、100mhの高校生、大学生競技者を対象に、ハードル走に関してハードル局面における競技者の主観的な重要度を調査したものです。 内容を3項目にして簡単にまとめると、(是非論文を読んで下さい) 1.ハードリング局面において、最も重要と意識している局面(インターバル、踏切り、空中動作、着地)はどこかについて。 その順位は110mh、100mh競技者ともに1位 インターバル、2位 踏切り、3位 着地、4位 空中動作だった。 私もインターバル、踏切り、着地、空中動作です。しかし、最近ハードリングに悩んでいるので踏切りが1番な気もしてます。ハードルを始めた頃から高校生まではずっとハードリング(踏切り、着地、空中動作)ばかり気にしていましたが、大学3年くらいからインターバルの重要性に気がつきました。ハードルを始めたころはハードリングが全てだと思ってしまうんですよね。
2.スタートから何台目のハードルを重要視しているかについて。(1位~3位、順位をつけて答える。) 110mh競技者は、1台目、2台目、10台目の順となった。
100mh競技者は、1台目、2台目、3台目と10台目の順位となった。
私は1位が1台目、2位は2台目、3位は3台目ですね。1台目の成否がレース全体の出来を左右することは知っての通り。私は前半型だと思うので2台目、3台目をスムーズに越えられるかどうかが重要です。感覚的には1台目と同じくらい2台目、3台目も大切な気がしています。
3.パフォーマンス向上のために効率のよい練習方法として、スプリント練習とハードリング練習との練習割合は競技者の経験からしてどの程度なのかについて。(2つを合わせて100%となる様に。) 110mh競技者高レベル群 スプリント練習量72.14%、ハードリング練習量27.86% 110mh競技者中レベル群 スプリント練習量63.71%、ハードリング練習量36.29% 110mh競技者低レベル群 スプリント練習量61.03%、ハードリング練習量38.97% 100mh競技者高レベル群 スプリント練習量72.14%、ハードリング練習量27.86% 100mh競技者中レベル群 スプリント練習量70.23%、ハードリング練習量29.77% 100mh競技者低レベル群 スプリント練習量57.92%、ハードリング練習量42.08% 私はスプリント練習が70%、ハードル練習が30%です。ハードル練習は週に1回か2回。週に一度もしない日もあるくらいです。 ハードル競技を始めた時は、いかにして綺麗で形の良いハードリングをするかで頭の中はいっぱいでした。中学、高校の頃は5歩走で形ばかり気にして跳んでいました。もちろん3歩走もやってはいましたが、形ばかりを追い求めていました。その頃、一番気にしていたことは着地の時に腰が抜けないで足から頭までを一直線にすることです。踏切りも、空中動作も全て着地の時に腰が抜けない様にするためのものでした。どうして、着地を意識していたかというと、スムーズなインターバル走につながると感じていたからです。そして、腰の入った着地が格好良いと思ったからです。今、考えてみるとその部分に着目して練習していたことは間違いでは無かったと思っています。形の段階から、インターバル走の重要性に気づいてからは5歩走はウォームアップ程度になり10台並べての練習や3歩走の競い合いの練習で、走るハードル走を意識して練習に取り組んでいました。そうなるとスプリント能力の向上が求められるので、自然と走りの練習への割合が増えていったと思います。 ハードル選手にとって最も必要な能力はスプリント能力だと思います。ハードル競技でも結局は足の速い人が勝つんです。アメリカの110mhの選手は100m10秒0台で走ります。このことは、ハードルを始めた人は大前提で知っておくべきことだと思います。ですが、中学生の時はただハードリングが上手くなりたいという気持ちで十分な気もします。ハードリングを上達させようとする時間が長くないとハードル走の面白さに気づけないかもしれないからです。スプリントの大切さは知っておくべきだと思いますが、ハードル走の魅力はやはりハードリングでしょう。何か、意見や感想等あればコメントをお願いします。